目指せ!ガイドの制度化

今日は朝から霧降高原。
と言っても、どこかフィールドに出たのではなく、ずっとお部屋のなか。

日光自然ガイド連絡会の定例会だったのね。

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お昼は日光珈琲御用邸通の黒カレー。

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色味に反してあまり辛くなくて、まろやかな味わい。

そこから霧降に取って返して、今度は研修会。

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今回の研修会のテーマは、「ガイド制度を考える」

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今、奥日光や霧降高原など旧日光市街地では、いろんな人や組織がガイドをしている。

これはきっと良い事なんだけれど、個人的には問題が多いと思うんだよなぁ。

以下は個人的な意見なんで、それを踏まえて読んでてね。


1.エリアとして ガイド代が安い。
ガイドってさ、その日の仕事と思われがちなんだけれど、本番と下見、打合せや準備で、少なくとも2.5日分くらいはかかるんだよね。
下見を削っても1.5日分はかかる。
でも、今のところこのエリアの一日分のガイド料が15,000円くらいなんてのがザラ。
計算すると日当6000円くらい?

これに諸経費がかかる。

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2.若手が育たない。
1の理由で若手は長期間続けられなくて、経験を積んでようやくガイドっぽい事が出来る様になると、この地域を離れないとならなくなってしまう。
でも学校ガイドのニーズはあるので、その額でもOKという人=多くはシルバー世代がボランティアの延長として活躍する。

その層が主流になると、ますます料金は上げられなくなって、1⇔2の繰り返し。

まぁ、例えば戦場ヶ原限定とかにすれば、若手を短期間で促成栽培する事も可能だけれど、これは3へ。

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3.地域としてのガイドのクオリティの低下
回転の速い若手と、好きでやっているボランティアがガイドばかりをやっていると、当然の事ながら質が維持できなくなっていく。

ガイドはアウトプットが仕事だけれど、良質なインプットが無いと良質なアウトプットなんて出来ないのは自明。

ボランティアさんよりも専任ガイドの方が良質なんてことを言っているわけでは無いよ。
オイラもボランティアさんから教わる事は沢山あるからさ。
この辺は感覚的な事であまり上手く伝えられないなぁ。

でも、ガイドの質は低下していくのは、ほぼ間違いない。

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4.利用者の満足度低下。
ガイドの質が下がれば、利用者の満足度は低下するのも当然。
だだでさえ、5なのに。

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5.ガイドツアーの認知度の低さ
そもそも、日光・奥日光の歩道を使ったガイドツアーって認知度が低い。
というか、誤解されている。
よく聞くのは、「遊歩道があるんだから、ガイドなんていらないでしょう?」

日光自然ガイド連絡会の会員が常日頃行っているのは、目的地への道案内ではなく、その道中に存在するありとあらゆる素材を使って、楽しみ方や知識、ルールやマナー、時には問題点を提起するという性質のもの。

一度体験して貰えれば、その違いを解ってもらえると思うんだけれど、まずその一度のハードルが高い。

そんななかで、3⇒4のコンボが発生したら、1だけ解決できてもなんの意味もない。

でも、認知度を上げるには、一つ一つの事業所でPRをしていてもはかばかしく無くて、役所や観光協会などの大きな組織が積極的に動いてくれないと効果は薄い。
そこで、6。

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6.PRしづらい
A. 「地域としてこんな活動が出来るんですよ!」とPRをしたくても、個人レベルの小さな事業所が中心で活動をしているので、問合せ先を示しづらいという問題がある。

B. そのガイドは信用できる?
ガイドの世界はある意味、「言ったもん勝ち」。
とくに日光エリアは資格を必要としないので、ある日誰かが『私はプロのガイドです』と言えば、それがまかり通るんだけれど・・・
その人は本当にそのエリアの事を知っている???
となれば、ここでも3⇒4のコンボ発生。


なんて事を考えると、やっぱりガイドの組織化・制度化なんてのが必要だと思うんだ。

そうすれば、
『この地域には信頼できるガイドがいますよ!』 とPR出来るし、
『この人、認定されたガイドだから信用できそう!』って利用しやすくなるし、
『認定ガイドになる為には、一定のレベルに到達しなければ!』というモチベーションにもなる。

更に新規に始めたい、要は名前が売れていない人でも、その品質が保障されるようになる。

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もっとも、誰がその試験やるんだ。とか、事務局どうすんだ。とか、色々な問題もあるんだけれどね。


この制度化を観光の側面から見てみると、制度化によるメリットは上述で、さらにこのガイドに案内をされた人と言うのは、その地域の魅力により深く触れる事が出来るので、旅行の満足度も上がるし、地域にとって良いリピーターになりやすい。

良いリピーターって何かって?
オイラは、次の三つを備えてるのが良いリピーターさんだと思ってる。

・ その地域の楽しみ方を、自分自身で見つける事が出来る。
・ その地域の特性を理解して、そのルールの中で遊べる。
・ その地域が大好きで、大事にしたいと思える。

お金は考えなくて良いのかって?
当然、お金を落としてくれるのが、観光地にとって良いお客様。

でも、この3つを知っている人は滞在時間伸びるから、なんだかんだでお金を使う機会が多いし、それによる口コミってのも期待できるから、結局お金に繋がると思うんだな。

そもそも、お客様の絶対数がいない事には、お金を払う方もいないわけだし。

では、悪いリピーターってなんぞや?
件の馬鹿タレが代表例。


でも、その組織化・制度化の為に何をしたらよいのだろうか・・・とやきもきしている所に奥日光ファンクラブの会合&懇親会。

お酒を飲みながら今までもblogで書いてきた↑な話でクダを巻いていたら、お隣にいらした方が、日本各地でガイドの組織化や制度化に関わって来たと仰るではないかっ!

そうした次第で、今回の研修会の講師、日本交通公社の寺崎竜雄様が、各地の事例を元にお話をしてくださった、と。

日光・奥日光では、まだガイド同士の間でも組織化・制度化に関する認識にズレがあるから、即即とはいかなくても、早目に整えたいなぁ。


とは言え、まずは目先のことを。

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3連休はカクレ滝ツアーからは始まる、ツアーリピーターさんが3連発。
そこを無事勤め上げなければっ!

・・・なんて記事を書き始めたのが土曜日の話 f(^^;;)


(財)日本交通公社 寺崎竜雄さま

日光自然ガイド連絡会

件の馬鹿タレ

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